許可を受けるための要件の概要

建設業を営むためには、建設業許可を取得する必要があります。建設業許可を受けるためには、以下の5つの要件を満たす必要があります。それぞれの要件は事業の健全な運営と法令遵守を確保するために設けられており、事業主が責任を持って建設業を営むための重要な基準となります。

1. 経営業務管理責任者等の設置

建設業許可を取得するためには、事業者が経営業務の管理責任者を設置することが求められます。この経営責任者は、事業運営に関して十分な知識と経験を持ち、適切に業務を管理・運営できる能力が必要です。具体的には以下の条件を満たさなければなりません。

  • 経営業務の管理責任者は、建設業に関し一定の年数の経営経験を有していること

2. 営業所ごとに一定の資格・経験を有した専任技術者をおくこと

建設業を営むためには、営業所ごとに専任の技術者を配置する必要があります。専任技術者は、建設工事に関する技術的な知識や経験を有し、その営業所の管理を行う役割を担います。

たとえば、「建築士」や「施工管理技士」など、業種に対応した各種専門職資格を有していることや、実務経験等が求められます。これにより、営業所で行われる工事の品質や安全性が確保されることになります。

3. 請負契約において誠実性を有すること

建設業を営む事業者は、請負契約において誠実性を持つことが求められます。具体的には、契約に基づいて正当な取引を行い、顧客との信頼関係を築く必要があります。これには以下のポイントが含まれます。

  • 不正な契約行為や詐欺的な行為を行わないこと
  • 契約内容を適切に履行し、契約者に対して誠実に対応すること

もし不誠実な契約や不正な取り決めが発覚し、建設業に関連する各法律(建築士法・宅地建物取引業法)に抵触し免許等の取消処分などを受けた場合、5年間は誠実性を有しないとして建設業許可を取得することができません。

4. 一定の財産的基礎等を有すること

建設業を営むには、一定の財産的基礎を有していることが求められます。具体的には、事業運営に必要な資金や資産を保有していること、または信用力があることが求められます。これにより、事業の継続性や経営の安定性が保証され、万が一の際に経済的なリスクをカバーすることができると判断されます。

  • 財務基盤が安定していること
  • 不況時や工事中のトラブルに対して適切に対応できる資産があること

5. 欠格要件に該当しないこと

建設業許可を受けるためには、申請者が欠格要件に該当しないことが必須です。具体的には、以下のような場合注意が必要です。

  • 法人の場合: 会社の代表者や役員が破産者で復権を得ない者である、または法人が過去に不正の手段で建設業許可を受けたことがある場合
  • 個人の場合: 申請者が過去に建設業の不正行為に関与したり、犯罪歴がある場合

欠格要件に該当していないことが確認されない限り、建設業許可は交付されません。


まとめ

建設業許可を受けるためには、上記の5つの要件を満たす必要があります。これらの要件は、事業者が適正に建設業を営み、安全で質の高い工事を提供できることを保証するためのものです。特に、経営業務管理責任者の設置専任技術者の配置は、許可を受けるための基本的な条件です。また、財産的基礎誠実性についても、事業の安定と信頼性を確保するために重要な要素となります。

許可申請を検討する際には、これらの要件をしっかりと確認し、必要な書類や条件を整えることが大切です。もし要件を満たしていない場合、事業運営に支障をきたす恐れがあるため、専門家に相談することも一つの方法です。